障害者雇用で仕事がない・空き時間が多い原因と業務切り出しの対策を人事担当者が解説

障害者雇用で仕事が来ないってどういうこと?

今回はこの悩みを解決する記事を書きました!

障害者雇用で仕事がないと悩まないための対策を、
障害者雇用で働いている私が実体験をもとにご紹介します!

結論からいうと仕事がない理由は、企業が業務の切り出しが上手く行われていないからです。

障害者雇用で働かれている方やこれから障害者雇用を考えている方は、
この記事を読むことで、働く企業選びを慎重に行うことが出来ますよ!

ぜひ最後までご覧ください!

それでは、どうぞ!

オフィスでチームが業務について話し合っている様子
目次

障害者雇用で仕事がないため空き時間が増える理由は?

冒頭で紹介しましたが、障害者雇用で仕事がない理由は、

「業務の切り出しが上手く行われていない」ことが大きい原因です。

私も実際にそうでしたが、就労支援の仲間も障害者雇用で働いていて共通の悩みを抱えていることがわかりました。

具体的なシチュエーションはこのような感じです!

メールチェックだけで一日が終わってしまう

この悩みからわかることは、業務の切り出しが上手く出来ていないため、
障害者へ仕事が降りてこないことです。

ではなぜ、企業が業務の切り出しが出来ていないか、
実際に人事担当で業務の切り出しに携わっている私が現状感じている課題を元に紹介します!

障害者雇用の業務切り出しが出来ない理由とは

まずは大きく理由を3つにまとめました!

3つの理由

1.障害者を採用する流れが確立されていない
2.配慮を重く捉えてしまい業務を依頼することに躊躇してしまう
3.直属の上司が多忙で管理する余裕がない

この3つです!

要するに、業務を切り出すフローがルール化されていないことが多いため、
このようなことが発生してしまうと考えています。

ではこの3つの理由を深堀していき、改善策を考えていきましょう!

1.障害者を採用する流れが確立されていない

障害を雇用する際は、
一般雇用での採用活動とは異なり多くの事前準備が必要となります。

簡単にいうと、受け入れた体制を整えるということです。

目に見える障害の場合、目に見える配慮を事前準備できますが、
目に見えない障害の場合、どのような事前準備をすればよいかわからないことが多いです。

そのため、事前準備なしで障害者を雇用し、発生した課題を解決出来ず、
障害者が早期退職してしまうケースもございます。

実際に私が障害者雇用の面接で足を運んだ際、職場環境の質問に回答を濁す企業があり、
その場合は面接通過の連絡があっても辞退していました。

受入体制がしっかりしている企業は、職場環境の質問に対して質問の意図を理解し細かく説明してくれることが多い印象です。

企業ごとの障害者雇用対策の違いと業務切り出しの実態については、約30社を訪問した体験談をまとめた記事も参考になります。(企業ごとの障害者雇用対策の違いと業務切り出しの実態)

当事者として出来ることは、採用した後の想定をどのようにしているかを面接で伺うことと、
働いている方は今後の働き方を上司と相談することをおすすめします!

求職者が働くイメージを持って就活することも大切ですが、
障害者雇用では企業側も障害者を採用した後のイメージをしっかりと持つことが大切だと考えます。

採用フローが確立されていない企業では、入社後に「何をしてもらえばいいかわからない」という状態が生まれやすく、それが業務の切り出し不足に直結します。受入体制の整備は、障害者雇用を成功させるための最初の関門といえます。

2.配慮を重く捉えてしまい担当者が業務を依頼することに躊躇してしまう

これは大変多いです。

障害者を配属するパターンは、

配属パターンの例
  1. 障害者が所属するチームをつくり管理者を配属させる
  2. 既存のチームに配属させ、当事者の配慮は伝えて業務の指示は現場に任せる

といった2つのパターンの大きく分かれます。

今回の悩みは②のシチュエーションで多く発生する悩みです。

配慮内容は人事から伝えられるも、現場からしたらどのような業務を渡していいのかわからないことが多い為、担当者が業務を抱えてしまい障害者に仕事がない状態を作ってしまいます。

一旦この状況を整理します!

配慮内容だけが伝わり現場が業務を渡せず困っている状況の図解

障害者が具体的に出来る業務を配属先と事前にすり合わせていないがために、
このような状況になってしまうと考えています。

この状況は障害者雇用で働いている人は多く経験していると思います。

ではこの状況の改善策はあるのか?
具体的に業務の切り出しがしっかり行われている企業を参考に整理していきます!

入社前に業務のすり合わせを行っている企業の事前準備フローの図解

緑の矢印はAさんが入社される前に行っている業務のすり合わせです。

実際に就活の際多くの企業へ足を運んだ際に
業務の切り出しをしっかりと行っている企業はこのような取り組みをしていました。

業務のマニュアル化・見える化については、後述の手順の中で整理します。

当事者として今すぐできる対策としては、自分の出来ることをしっかりと伝えることです。

配慮の内容だけが独り歩きしてしまうと、企業が具体的に出来る業務を想定しにくいため

まずはしっかりと自分の得意な仕事や、配慮をもらいながら出来る業務を
具体的に企業伝えることをおすすめします!

「これはできない」「これは苦手」といった伝え方では業務を切り出す際に相手を困らせてしまいます。出来る視点で伝えることを意識してみると必ずいい方向に行きますよ!

3.直属の上司が多忙で管理する余裕がない

働いている時に仕事がない状態になってしまうのは、上司の多忙が原因の場合が多いです。

実際に私も繁忙期で上司からの連絡がなく、
手すきの時間を作ってしまうことがあり困ってしまうことが多々ございました。

そもそもこれを引き起こしてしまう根本的な要因は、
管理者が業務の片手間で障害者を管理していることが問題と考えます。

障害者の管理方法は一般雇用とは異なり、
業務の中身もしっかりと把握する必要があるため業務の片手間で行うことは大変難しいことです。

業務の中身をしっかり把握して「出来ていること」「困っていること」をリアルタイムで確認することが雇用の安定を目指すためにも必要になってくるため、しっかりとした管理が求められます。

上司が多忙で管理が行き届かない状況では、当事者が自分の業務状況を「見える化」して上司に共有することが、この悪循環を断ち切る鍵になります。上司が把握しやすい形で情報を整理することで、指示を出しやすい環境を当事者側から作ることができます。

当事者としては、しっかりと相談することが必要と考えます。

困っていることを溜めておくと体調にも影響がでるためそのままにしていることは決していいことではないです。

私も仕事が来ず悩んでいましたが、仕事がないことをしっかりと伝えて状況を改善してほしいと上司に相談しました。

ただ上司に改善してほしいと伝えるのではなく、
自分で周りを見渡して仕事を見つけることが相談前にすることとして大切なことです。

仕事をしているときより、仕事がないことを抱えていることの方がストレスですので、状況を変えるためにもぜひ相談してみましょう!

障害者雇用における業務切り出しの具体的な手順

ここでは、人事担当として業務の切り出しに携わってきた経験をもとに、実際にどのような手順で進めてきたかをご紹介します。

大きく分けると、①部署・業務の選定 → ②業務の洗い出し → ③タスク分解 → ④マニュアル化という流れになります。

①どの部署・業務から切り出すかを選ぶ

まず最初に考えるのは「どの部署・どの業務から切り出すか」という選定です。

切り出しやすい部署としては、定型的な作業が多く、手順が比較的明確な業務を抱えている部署が多いと感じています。たとえばデータ入力・書類整理・ファイリング・郵便物の仕分けなど、毎日同じ流れで進む業務は切り出しの候補になりやすいです。

人事担当として感じるのは、「忙しいけれど誰かに任せたい業務がある部署」が切り出しの出発点として機能しやすいということです。部署の担当者が「これを任せられたら助かる」と感じている業務を探すことが、切り出し成功の第一歩だと思っています。

②既存業務の洗い出しとタスク分解

部署が決まったら、その部署の業務を洗い出し、細かいタスクに分解していきます。

ポイントは「一つの業務をできるだけ小さな単位に分けること」です。たとえば「書類管理」という業務であれば、「受け取る→仕分ける→ファイルに綴じる→棚に戻す」というように、一つひとつの動作レベルまで分解します。

タスクを細かく分解することで、どのタスクを誰が担当するかが明確になり、障害のある方が取り組みやすい部分を特定しやすくなります。また、分解されたタスクは後のマニュアル化にもそのまま活用できます。

実際に私が人事担当として業務の切り出しに携わったときは、まず各部署で日常的に発生しているルーティンワークを洗い出すところから始めました。

採用予定の障害者をイメージしながら仕事を考える方法もありますが、私の場合は、まず一つの業務を細かく分解し、その中から本人の特性に応じて担当しやすい部分を用意することを意識していました。

マニュアル化するときに気をつけていたのは、情報を増やしすぎないことと、属人化しているやり方をそのままマニュアルにしないことです。障害のある方へ渡す際は、できるだけ内容を整理し、シンプルな形で伝えることを大切にしていました。

一方で、業務を切り出せば自然に仕事が回ってくるわけではありません。実際には、現場がなかなか業務を渡してくれなかったり、現場からの依頼型にすると依頼そのものが来なかったりすることもありました。

こうした経験から、業務を切り出すだけでなく、関わる社員への事前の共有や理解を深めることも大切だと感じています。現場側の理解が十分でないまま進めると、せっかく切り出した業務も会社の仕事として定着しにくくなるためです。

③マニュアル化・見える化で業務を定着させる

タスクを分解したら、それをマニュアルとして文書化します。マニュアル化の目的は「誰が見ても同じ手順で業務を進められる状態を作ること」です。

マニュアルがあることで、上司が多忙な時期でも当事者が自律的に業務を進めやすくなります。また、現場の担当者が「この業務はこの手順でお願いできる」と判断しやすくなるため、配慮を重く受け止めすぎて業務を渡せないという状況の改善にもつながります。

マニュアルは完璧なものを最初から作ろうとせず、実際に業務をやりながら更新していくスタイルが現場では機能しやすいと感じています。

障害者が取り組みやすい業務の特性と具体例

業務切り出しを進める際に「どの業務を切り出すか」の判断基準として、取り組みやすい業務の特性を知っておくことが大切だと感じています。

私が人事担当として、また当事者として感じてきた経験をもとに整理します。なお、以下は筆者の現場感覚に基づく整理であり、公的機関の統計や制度に基づく記述ではありません。

取り組みやすい業務の特性

障害のある方が取り組みやすい業務には、共通した特性があると感じています。

  • 手順が明確で定型的:毎回同じ流れで進む業務は、見通しが立てやすく取り組みやすいです。
  • 成果が目に見えやすい:「終わった」「できた」が分かりやすい業務は達成感につながりやすいです。
  • 他者との調整が少ない:複数人との複雑なやり取りが少ない業務は、コミュニケーションの負荷が低くなります。
  • 時間や量を調整しやすい:体調に合わせてペースを変えやすい業務は、安定して継続しやすいです。

逆に、臨機応変な対応が多く求められる業務や、複数のタスクを同時並行で進める業務は、切り出しの難易度が上がりやすいと感じています。

私が実際に業務を振り分ける際も、まずは資料作成やデータ作成、郵便物の整理、会議室まわりの整理、来客対応など、比較的取り組みやすい業務からお願いするようにしていました。いきなり多くを任せるのではなく、業務を細かく分けながら「できた」という経験を積んでもらうことを意識していました。

ただ、取り組みやすい業務は人によって異なります。たとえば、細かな作業が得意でコミュニケーションに苦手意識がある方には、資料作成やデータ作成が合いやすいと感じました。一方、まずは出社や勤怠を安定させることを目標としている方には、会議室まわりの整理など、負荷の大きすぎない業務からお願いすることもありました。

逆に難しさを感じたのは、現場の業務フローの中に入り、周囲と連携しながら進めなければならない仕事です。常に状況を見ながらフォローする必要があり、本人にとっても周囲にとっても負担が大きくなりやすいと感じました。

こうした経験から、私は「障害があるから簡単な仕事だけ」と考えるのではなく、まず取り組みやすいところから始め、その人の強みや状態に合わせて少しずつ仕事の幅を広げられる環境が大切だと感じています。

障害者雇用で仕事がないと悩んでいる方へ

現在、障害者雇用で働いていますが入社直後は仕事がないと悩むことが多々ありました。

ネットで情報を探しても同じような状況にいる方が多いことが分かり、
自分だけでないことは感じることができ安心しました。

仕事がないことは、決して一人で悩むことではございません。

私は以下のことで状況を改善することが出来ました。

状況を改善するためにしたこと
  1. 自分の出来ることや得意なことを上司へ具体的に伝える
  2. 自分の抱えている業務を上司にわかりやすいように可視化する

この2つを積極的に行ったことで状況が徐々に改善され今では仕事がないと悩まなくなりました。

企業もどうしていいかわからないのが本音です。

障害者雇用として働くことを決めたのであれば、
それ相応の行動が当事者には必要になってくると働き始めて感じています。

自分が働きやすい環境を整えるために今出来ることを考えてみましょう!

行動することが状況を変える一番の解決策ですよ!

障害者雇用で働くことへの収入や就活の不安については、障害者雇用への転換に不安を感じている方への情報をまとめた記事も参考にしてみてください。

スキルアップや資格取得によって自分の「できること」を増やすことも、状況改善の有効な手段のひとつです。

障害への理解がある職場で働きたいと思っても、自分に合う仕事や就職までの進め方がわからず、不安を感じることもあると思います。就職に向けて準備を整えながら、自分に合った働き方を探したい方は、atGPジョブトレの支援内容を確認してみてください。

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この記事を書いた人

高校2年生の不登校をきっかけに、スクールカウンセラーの勧めで大学病院を受診し、発達障害(ADHD)の診断を受けました。

その後、専門学校を卒業して社会人になるものの、働き方や人間関係につまずき、一時期は社会から距離を置くような引きこもり期間も経験。

就労支援事業所への通所を経て、現在は上場企業のオープンポジション枠で、障害者雇用として管理部門に勤務しています。

今は発達障害と向き合いながら、結婚・子育て・マイホーム購入・住宅ローン返済中のリアルな日々を過ごしています。

このブログでは、不登校・いじめ・就職・障害者雇用・制度活用・子育て・暮らしの工夫など、これまでの経験をもとに、同じように悩む方やご家族に向けて発信しています。

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