・各企業の障害者雇用はどのような対策をしているのか
・障害者雇用を成功している企業とは
・自分に合った働き方がわからない
2021年3月に法定雇用率が引き上げに伴い、
障害者の採用活動が活発化されると予想されます。
障害者採用は各企業にとって大きな課題であり、
6月1日の国への採用実績報告に向けて対策は急務となっております。
今回は、障害雇用の就活で約30社、企業実習や見学、選考時に感じた
各企業の障害者雇用対策の違いをご紹介したいと思います。
障害者雇用を検討されている方は、
この記事を見ることで自分に合った働き方を整理することが出来ます。
それではどうぞ!!
各企業の障害者採用への対策差はどのようなものがあるの?
業界・業種によって障害者雇用の採用実績に差があります。
それは、障害者に適した仕事の切り出しが上手く出来ていないことが原因の一つです。
他にも要因は多々ございますが、障害者を雇用する準備に著しい差があると感じました。
では具体的にどのような違いがあるかご紹介します。
一般企業と特例子会社では業務の幅が著しく違う
具体的な説明をする前に、特例子会社とは何かを先に説明します。
障害者雇用の促進、そして安定を図るために設立される会社です。
一般企業と比べると、障害や特性に対するサポート環境が整っていることが多く、比較的障害の程度に関係なく働くことができます。
もっと簡単に説明すると、大手企業が障害者を雇用するための会社です。
働いている方は全員障害を抱えており、親会社から依頼された仕事を日々行います。
仕事内容は企業ごとで違いますが、基本的には単調なデータ入力や雑務が全般です。
では改めて、一般企業への障害者雇用と特例子会社の業務幅の違いをご紹介します。
切り出した仕事が親会社からくる仕組みが確立されております。
ただ、基本的に単調な仕事が多く、業務の幅も自身で広げることが出来ないため、仕事量や質よりも安定して勤務することが一番の目的となっています。
障害に対してのサポート環境は整っている為、障害の程度に関係なく就労経験を積むことが可能です。
企業ごとで仕事を切り出す仕組みに差があります。障害者を管理する部署を作り仕事を切り出す企業や、既存の部署に配属し直属の上司に業務量を抑えられながら通常通り働くなど対応は様々です。
一人一人の障害者に適した仕事を切り出していることが多いため、業務の幅や質は個人のスキルによって広げることは可能です。
ですが、特例子会社とサポート面を比較すると、障害理解に差があるためサポート環境が整っている企業は少ないです。自身で障害に対してしっかりとした対策を取れていることが前提となります。
障害者採用を成功している企業は、仕事の切り出しがしっかりと行われており、
仕事の切り出しを行ってから、その業務内容に合った人材を採用している企業が多い印象です。
面接などの場で、今回の採用活動はどのような業務を想定しているか具体的に伺うことで企業の障害者雇用への取組みを知ることが出来ます。
ですから、失敗しない為にもしっかりと自分に対して想定している業務内容を伺うことは必ず行うことをおすすめします。
日系企業と外資企業では障害認識に差がある
そもそも障害に対しての認識が日本と海外では違うことが一番の要因ですが、
その違いを就活時に大変実感しました。
一番の違いは、障害の有無に関わらず一人の人間として活躍することを想定しているかいないかです。
日系企業では、障害者企業を積極的に行っている企業もございますが、経験やスキルを求める企業多い印象です。面接も一般雇用と変わらず、一人の人間としてというよりも、障害があることを前提に会話が進む印象です。
外資企業は、経験やスキルを問わず障害に対してどのような認識を持っているか、その考え方は自分たちの企業文化にマッチするかを重視しています。面接も障害の有無に関わらず一人の人間として行動思考を問われる質問が多い印象です。
実際に大手IT外資企業の見学に足を運んだ際、就労経験がない18歳の方を採用したと伺いました。
その理由は、障害への考え方と企業文化がマッチしたとのことです。
やはり多様性という点で、日系企業と外資企業で差が生まれていると感じた経験になりました。
日系企業でもここ数年企業文化を重視する企業が増えております。
それは、組織力強化や社員のエンゲージメント向上などを目的としており、
その取り組みが多様性向上に繋がると考えています。
障害の有無に関わらず、一人の人間として自分の考え方を伝えることが今後重要になってくると為、
しっかりと障害への対処や行動思考を整理する必要があると考えます。
障害雇用を失敗している企業は前任者のイメージで選考を進めている
様々な企業見学や面接に足を運んだ際、
障害者を中々採用出来ていない企業に共通していることは前任者を基準に採用基準を決めていることです。
例えば、
ADHDの方で遅刻が絶えずコミュニケーションが上手く取れず退職してしまった方が前任者でいたとします。
障害者を新しく採用する際、前任の方基準で採用活動を行ってしまうことで、採用条件が自然と上がり、悪いイメージのまま採用活動を続けてしまっている企業も実際にありました。
なぜこのようなことになってしまうか、
それは、障害の知識格差が影響しています。
私は現在人事部で採用に携わっておりますが、障害の知識に関しては、皆無の方や自ら勉強されている方がおり知識格差は実感しております。
障害者採用に成功している企業は、障害知識が豊富で、全社員への勉強会を開催するなど、
知識共有を積極的に行っておりました。
実際に就活中、障害者採用を成功している企業の面接を受けましたが、面接時のリアクションや担当者からの質問などから知識量が伝わるため、働くイメージが湧きやすい印象を抱きました。
企業によって様々な背景がございますが、先入観が採用活動に影響するのではないかと考えます。
今回は以上となります。
現在、障害者雇用に力を入れている企業も数多くございます。
法定雇用率も引き上げられ、今後一層、障害者採用に課題を置く企業が増えると考えます。
そんな時こそ、本当に自分を必要としてくれる企業を選ぶことが大切です。
「一人で頑張る」のではなく「一緒に頑張る」という視点を持って、企業選びをすることをおすすめします。
ありがとうございました。