
障害者雇用の面接では何を聞かれるの?
一般雇用の面接と何が違うの?
障害や体調のことを正直に話して大丈夫?
こういった疑問や不安を持つ方に向けて、この記事を書きました。
障害者雇用の面接には、一般雇用の面接とは異なる独特の流れがあります。「何を聞かれるかわからない」「障害のことをどこまで話せばいいか不安」という気持ちは、私自身も当事者として経験してきました。
この記事では、採用担当として障害者雇用の面接を行い、かつ自分自身も障害者雇用で働いている筆者の視点から、面接でよく聞かれる質問とその準備方法を整理してお伝えします。
この記事を読むと分かること
・一般雇用と障害者雇用の面接の違い
・面接でよく聞かれる質問の一覧
・事前に準備しておきたい4つのこと
・各質問への答え方・伝え方のポイント
たかちゃん
ADHD×ASDと約20年向き合ってきた30代会社員。
学生時代には不登校やいじめを経験しながらも、現在は上場企業のオープンポジション枠で障害者雇用として働いています。
発達障害と向き合いながら、結婚・子育て・マイホーム購入・住宅ローン返済中のリアルな日々を発信中。
本ブログでは、働き方・制度活用・お金・子育て・暮らしの工夫など、これまでの失敗や挫折も含めて、同じ悩みを持つ方やご家族に向けて発信しています。
野球・音楽・旅行が好き。人生を笑顔で過ごすことをモットーに、今日もなんとか奮闘中です!
ぜひ最後までご覧ください。

一般雇用と障害者雇用の面接、何が違うのか
一般雇用で複数回の転職経験がある私の感覚では、障害者雇用の面接は難しいと感じました。
その難しさの理由は、一般雇用の面接とは異なり、ネガティブな内容を正直に話さなければいけないという点にあります。これが、両方の面接を経験して感じた最も大きな違いです。
一般雇用の面接では、自分の経験やスキルをどう活かせるかに焦点が当たります。一方、障害者雇用の面接では、それに加えて以下の内容を伝えることが求められます。
障害者雇用の面接でよく確認される内容
1.自己紹介(経歴説明)
2.障害の説明(症状や発症の経緯)
3.体調が悪くなる要因と自己対処について
4.企業側に求める具体的な配慮
5.職場環境の確認
一般雇用の面接では「自分を売る」感覚で自己アピールをすることが基本ですよね。その感覚に慣れていると、「できないこと」「苦手なこと」「体調悪化の原因」を話すことに対して、「ネガティブな回答をしたら落とされるのでは」という不安がなかなか拭えないものです。
ですが、障害者雇用の面接ではこのネガティブな情報こそが重要な材料になります。企業側も「どんな配慮があれば一緒に働けるか」を知りたいからです。これは採用担当として面接を行う立場になった今、改めて実感していることです。
この前提を頭に置いたうえで、次の準備と質問対策を読み進めてみてください。
障害者雇用の面接前に準備しておきたい4つのこと
面接で上手く話せるかどうかは、事前準備の質で大きく変わります。私が採用担当として面接を行う中で感じた「準備できている応募者とそうでない応募者の差」を踏まえて、特に重要な4点を紹介します。
事前準備しておきたいこと
1.体調を崩した経験がある場合はそのエピソードを整理する
2.自分の特性が出やすい場面を特性ごとに整理する
3.障害者雇用を選択した理由(ポジティブな内容)を考える
4.お願いしたい配慮を具体的に考える
1.体調を崩した経験があればエピソードを整理しておく
面接官が体調を崩した経験について質問する意図は、「自身が体調不良になった原因をしっかり把握し、その後どのように対処したか」を確認することにあります。
採用担当として多くの方の面接を担当してきましたが、体調を崩したエピソードについて原因とその後の対処まで整理して話せる方は意外と少ない印象です。
就労支援へ通所することも有効な準備の一つですが、通所できる状況にない方もいらっしゃいます。通所の有無に関わらず、以下の内容で整理しておくことをおすすめします。
・なぜ体調を崩してしまったのか(環境的な要因か、個人的な要因か)
・体調不良に気づいたきっかけは何か(例:自ら病院に行った)
・体調不良になった後、具体的にどんな行動を取ったか
・今、過去の体調不良とどのように向き合っているか
細かいと感じるかもしれませんが、実際にこのような細かい確認をしてくる企業もありました。採用担当としての私自身も、応募者の自己分析の深さを確認するためにこの内容を質問することがあります。
まずは「体調不良の原因は何だったのか」を整理するところから始めてみてください。
2.自分の特性が出やすい場面を整理しておく
自分の特性を整理できていますか?もし整理できていない場合は、まずそこから始めてみましょう。
特性を把握したうえで、その特性が「どんな場面で出やすいか」を具体的に説明できるように準備しておくことが大切です。
このように、特性が出る具体的な場面を整理します。
ここでのポイントは、応募先の企業で実際に働くことを想定して、どの特性が出る可能性があるかを一緒に考えることです。想定される特性を面接官に伝えておくことで、入社後のミスマッチを減らすことにつながります。
内定後に「想定していなかった特性が出て悩んでしまった」という方も少なくありません。短期での退職を防ぐためにも、入社前の段階でできるだけ丁寧に整理しておくことをおすすめします。
3.障害者雇用を選んだ理由はポジティブな表現で伝える
「なぜ障害者雇用を選んだのか」という質問に対して、多くの方がネガティブな回答をされる印象があります。
このような回答が実際の面接で出てくることがあります。
障害者雇用にネガティブな印象を持っている方は少なくありませんが、障害者雇用を選ぶことは決してネガティブなことではありません。
私自身が障害者雇用を選んだ理由は別の記事でくわしく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
「障害者雇用で働くことで、これまで感じていた生きづらさがどのように変わるか」を一度整理してみると、ポジティブな理由が見えてきます。ポジティブな視点で理由を組み立てることを意識してみましょう。
4.お願いしたい配慮を具体的に考えておく
配慮をどう伝えるかは、面接の中でも特に難しいパートの一つです。
難しい理由は、自分のお願いを相手に伝えるという性質があるためです。「この配慮があれば働きやすい」と頭では整理できていても、伝え方が自分本位になりやすいという落とし穴があります。
「可能であれば」という表現を添えることで、お願いベースの伝え方になります。事前に自分が伝えようとしている配慮内容が、自分本位の表現になっていないか確認しておくことをおすすめします。

障害者雇用の面接でよく聞かれる質問一覧
ここからは、私が実際に経験した障害者雇用の面接で聞かれた質問と、採用担当として自ら質問する内容をまとめてご紹介します。
障害者雇用の面接 頻出質問
1.障害・体調不良の具体的な発症原因
2.自分の障害についてどのように捉えているか
3.社会人として障害とどのように向き合っていきたいか
4.自身のストレス対処方法
5.相談できる人は具体的に誰がいるか
これ以外にも質問はさまざまですが、採用担当として実際にこれらを質問しており、求職者の立場でも多く聞かれた印象があります。
大切なのは、これらの質問に対して無理にポジティブに答えようとしないことです。
障害者雇用を選んだ理由についてはポジティブに伝えることが有効ですが、体調不良の原因や特性による困りごとについてはネガティブな部分をきちんと伝えることが重要です。
「大丈夫です!できます!」とアピールするだけでは、入社後のミスマッチにつながりやすくなります。それよりも、
「このような配慮をいただければ、安定して働くことができます」というように、できる条件・理由を明確に伝えることを意識してみてください。
採用担当として見てきた頻出質問と評価ポイント
採用担当として多くの方の面接に関わってきた中で、私が特に「伝わりやすい」と感じたのは、配慮事項だけでなく、その理由や配慮によってどう改善できるのかまで説明できている方でした。
例えば、「始業時間を10時にしてください」と伝えるだけではなく、「聴覚過敏があり、通勤ラッシュの電車でパニックを起こしてしまうことがあります。そのため、可能であれば始業時間を少し調整していただけると、落ち着いた状態で出社でき、本来のパフォーマンスを発揮しやすくなります」といったように、背景と効果まで伝えられると、面接官も具体的に働く姿をイメージしやすくなります。
私自身も障害者雇用の面接を受けてきましたが、
このような伝え方を意識したことで、相手に理解してもらいやすかったと感じています。
また、一般雇用と障害者雇用の両方の面接を経験した立場から感じるのは、障害者雇用の面接の方が難しいということです。一般雇用では自分の強みを伝える場面が中心ですが、障害者雇用では特性や苦手なことも説明しなければなりません。そのため、ネガティブな出来事であっても、「今はどのように対策しているのか」「働くために何を工夫しているのか」まで伝えられるかどうかで印象は大きく変わります。
実際に面接官としても、過去の出来事だけを話して終わってしまう方より、自分の特性を理解したうえで前向きに説明できる方のほうが、一緒に働くイメージを持ちやすいと感じていました。
もう一つ、面接官としても応募者としても共通して重要だと感じたのが、
「障害特性をどれだけ自己理解できているか」です。
「集中力が続きません」とだけ伝えるよりも、「聴覚過敏があるため、人の出入りが多い場所では集中力が続きにくくなります。そのため、静かな環境や短時間の小休憩を取り入れることで集中しやすくなります」と説明したほうが、特性なのか性格なのかも伝わりやすく、必要な配慮についても理解してもらいやすくなります。
障害者雇用の面接は一般雇用より自分と向き合う機会になる
「難しい」という言葉を聞くと、障害者雇用での就職を躊躇される方もいるかもしれません。
確かに、障害者雇用の面接は一般雇用の面接よりも自分の本質を問われる質問が多く、
私自身も戸惑うことが多々ありました。
ただ、振り返ってみると、一般雇用の面接では得られなかった自分を深く理解する経験が圧倒的に積み上がりました。
最近では採用担当として障害者雇用の面接をする機会が増え、両方の立場を経験して改めて感じることがあります。それは、自己理解とは「自分が理解している」だけでは不十分で、それを周りに伝える力が伴って初めて機能するということです。
これから障害者雇用での就職を考えている方は、面接準備を通じて自己理解を深める機会として前向きに取り組んでみてください。その経験は、面接を終えた後にも必ずあなたの力になります。
面接準備が整ったら次にすること
面接の準備ができたら、次のステップとして「どんな企業・求人を選ぶか」を考えていくことになります。障害者雇用の求人は企業によって配慮の内容や職場環境が大きく異なります。企業ごとの違いを知っておくことで、面接でより的確な質問や確認ができるようになります。
また、就労支援機関を利用しながら就活を進めるという選択肢もあります。就労支援では面接練習や求人紹介など、実践的なサポートを受けながら準備を進めることができます。
障害者雇用の求人を探している方へ
自分に合った職場を探すために、求人情報を確認してみませんか?
面接の準備ができたら、次は自分の障害特性や希望する配慮に合った求人を探していく段階です。 障害者雇用専門の転職サービスを利用すると、一般的な求人サイトだけでは見つけにくい求人や、配慮事項を相談しながら応募できる求人を確認できます。
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求人を確認したからといって、すぐに応募する必要はありません。まずは選択肢を知るところから始められます。





