発達障害っぽい部下・同僚にどうやって受診を勧めればいいの?大切なのは自覚の有無!

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部下が発達障害かもしれない

本人へどう伝えればいいの?

受診を勧める適切な方法とは?

今回は、「部下が発達障害かもしれない」をテーマに記事を書きました。

近年、発達障害という言葉が世の中に広がりつつあり、
誰もが発達障害の情報を取得できる時代になっています。

そのため、会社の部下・同僚・後輩に、
“ミスを繰り返す” “担当している仕事がすべて中途半端”
といった方に対し、

この人、発達障害ではないか?

と気持ちを抱かれる方は増えてきたのではないでしょうか。

しかしながら、発達障害と疑いの気持ちを頂いたとしても、
本人へどのように受診を勧めればよいか迷われる方は多いと思います。

伝え方で一番重要なのは、“自覚の有無”です。

今回は、発達障害当事者が、発達障害の疑いがある方への伝え方を、
実体験をもとにご紹介させていただきます。

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部下や後輩が発達障害っぽい…本人への伝え方とは?

“本人は発達障害という自覚を持っているのか?”

人によっては、仕事での困りごとをネットで調べ、自分は発達障害かもしれないと
疑っている方もいらっしゃいますが、大抵の方が、自分の力不足と捉える方が多い印象です。

また、発達障害の自覚を持っていたとしても、会社の人に伝えることはリスクと考え、
上司や同僚へ相談することを控える方は多いと考えています。

しかし、これは発達障害の自覚を持っている方が抱えている内心です。
大半の方が、無自覚で生活されているため、困りごとすら抱えていません

そのため、先述でも紹介しましたが、自覚の有無によって伝え方は異なります。

仕事に困りごとを抱えている部下へ発達障害の疑念を伝える場合

まずは、本人の困りごとを確認します。
その際は、上司としてというより、横に並んで会話することをおすすめします。

困りごとを抱えすぎている場合、上司との会話は萎縮してしまうことが多く、
上下関係での会話では、中々心は開いて会話することが出来ないのが発達障害の内心です。

では、どういった流れで伝えればよいか、下記をご覧ください。

  1. 仕事での困りごとを聞く
  2. 上司から指摘を受けるときの気持ちを聞く
  3. 一緒に解決しようと寄り添う言葉をかける
  4. 個人的意見として、発達障害の話を持ち出す
  5. 受診を勧めてみる

こちらの5つです。
それでは、上記の流れで気を付けるべき点を、それぞれご紹介していきます。

1.仕事での困りごとを聞く

わざわざ時間を作り、面談のような形で伝えてしまうと確実に委縮します。
そのため、フランクな場でお話することをおすすめします。

●●くんのが仕事で困ってないか気になってたんだよ。
もし、やりにくさを感じるなら聞かせてくれないか?

導入はこれくらいでいいと思います。
相手のことを気にかけているという点を伝えることが重要です。

発達障害者にとって、申し訳ない気持ちが強いため、
気にかけてくれる言葉を頂くと、気持ちが少し楽になるので気持ちを開きやすくなります。

ただ、「大丈夫です!ただ、自分の力不足なだけです…」というのは、
全然大丈夫ではないので、ご注意ください。

2.上司から指摘を受けるときの気持ちを聞く

仕事の困りごとを聞きだし、上司からの指摘はどのように捉えているか、
本人の気持ちの部分に寄り添います。

自分が悪いので…

自責の言葉ではなく、感情の部分を引き出してください
一番なのは、“つらい”という一言を引き出すことが大切です。

発達障害の特性上、自責思考が強いため冷静になれていないことが大半です。

冷静に今の状況を一緒に考えることが会話をする上で大切になるので、
まずは、感情に気づかせることに注力してみることをおすすめします。

3.一緒に解決しようと寄り添う言葉をかける

次に一緒に解決しようと一言を伝えてください。

発達障害者は課題を一人で抱えることが多く、
一緒に頑張ろうという一言に大変救われます

これまでの3ステップは基本的に心を開かせることが重要で、
“一緒に解決しよう”というスタンスを相手に伝え、安心を得ることが目的となります。

また、発達障害の疑いがある方へ敵ではないという印象を与え、
こちらは出来る範囲で対応する、だからあなたもできることはやってほしい
という本質を理解させた上で、次のステップに進んでみましょう。

4.個人的意見として、発達障害の話を持ち出す

次が最も大切な内容になります。

会社として発達障害の疑いがあるという伝え方になると、相手をより不安にさせてしまいます。
ですから、「これは個人の意見だ」という前提をまずは伝えてください。

そのうえで、下記のようにお伝えください。

●●くんがやりやすくなる方法を調べていたら、
同じことで悩んでいる人が多数いることが分かった。

あくまでも個人的な意見だけど、●●くんが悩んでいることと、
ある障害の特性が重なることが多くて、疑いを持っている。
発達障害って聞いたことあるかな?

もし自分でもそうだと思えるのであれば、障害からの困りごとだから
自分を責める必要はない
今の自分の困りごとを調べてみたことはある?

この文章を見て、こんなにストレートに伝えていいものなのかと感じた方いらっしゃいます。

はい、ストレートでいいのです。
なぜなら、相手は安心するからです。

“こういったことを言ってはいけないかもしれない”

障害を抱えて生活していると、健常者の方からこのような言葉を多々言われます。
“体調を悪くしてしまうかもしれない”と触ったことのない赤子を抱っこしている感覚だと思います。

では、言ってはいけない言葉とは具体的にどのような言葉でしょうか?

それは障害の有無に関わらず、皆同じ言葉です。

相手から言われた言葉を受け入れられないのであれば、それは障害以前の問題です。
ましてやそれで体調を崩してしまうのであれば、それは個人の問題で障害には関係のないことです。

障害というワードを伝えることはいけないことだ”というのは固定概念です
困っているのであれば、ヒントを伝えてあげてください。

ただ一点だけ、気を付けることをお伝えすると、
あなたは悪くない」ということは必ず伝えてください。

あなたの力不足でなく、障害の特性によるものかもしれないという点をしっかり伝えることで、
相手は安心感を抱き、自責の気持ちから多少解放されます

相手に安心感を与えることを意識し、ストレートに伝えてみてはいかがでしょうか。

5.受診を勧めてみる

発達障害の疑いがあることを伝えるだけでは、相手を逆に困らせてしまいます。
そのため、発達障害の疑いを本人に伝える→受診を勧めるはセットで考えてください。

大抵の方が、発達障害であると自覚を持っていたとしても具体的な行動は起こしません
なぜなら、面倒くさいからです。あとはプライドです。

ですから、発達障害の疑いを伝えた後は、必ずいつまでに受診するかを決めてください。
疑いの状態ではお互いが不完全燃焼な状態です。

困っているのであれば行動してほしい、私もできる範囲で対応する

ということをしっかり伝え、
会社としての意見と個人的な意見を分け、対応してみてはいかがでしょうか

発達障害という自覚がない方への伝え方

先述までは、仕事をする上での困りごとに自覚を持っている方です。

しかし、全員が自覚を持っているとは限りません。
では、自覚を持っていない方とはどういった方か、下記をご覧ください。

  1. 遅刻を繰り返しても悪びれる様子がない
  2. 指摘に対して他責の言動がある
  3. デスク周りの整理整頓ができていないが気にしていない
  4. 組織に馴染んで仕事をすることが出来ない

こちらの4つに当てはまる方です。

ではこういった方にはどのように伝えればよいか、
“他責”という点を意識しながらご紹介します。

1.遅刻を繰り返しても悪びれる様子がない

困りごとに無自覚な発達障害の疑いがある方は、大抵遅刻の常習犯です。
もちろん、人それぞれ特性が異なるため全員ではないことは前提としてお伝えします。

1.遅刻の連絡がなく中々出社して来ないから電話をしても出ない
2.在宅勤務で朝の連絡がないので連絡してみたら寝ていた
3.遅刻しているにも関わらず、身だしなみも整えない悪びれた様子がない

個人的な問題もありますが、発達障害当事者としての感想は、
こういった方は大体発達障害を抱えています。

また“社会人として”“人として”というのは、大抵通用しません

発達障害の方が遅刻常習犯である理由については、
別記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

では、こういった方と出会った経験談をご紹介します。

私が就労支援事業所へ通所していた際、
保護者の強い要望で入所してきた、発達障害の方がいらっしゃいました。

本人は困りごとへの自覚がなく他責にする言動が多く、
他者に危害を加えることがございました。

私はその方が危害を加えるとき、共通している言葉をかけられていることに気づきました。

それは、

周りと一緒にしなさい

という言葉です。

これは推測ですが、

今の状況は他人の責任という考えが強く、自分が正しいという考えで
年を重ねてしまった結果が捻じ曲がった価値観を生んでしまったのではないかと考えています。

結果的にこの方は、短期間で就労支援事業所を去っていきました。

周りに馴染めないというのも発達障害の特性ではありますが、
馴染もうと努力するというのは、障害の有無に関わらず行えることです。

こういった方に自覚を持たせる方法は、
保護者を巻き込んで解決に取り組んでください。

社会人になってから保護者が出るなんてみっともないと考える方もいらっしゃると思いますが、
社会人以前の問題なので、仕方のないことです。

人事に相談し保護者を交えて三者面談を行い、解決することが自覚への近道です。

2.指摘に対して他責の言動がある

業務のミスに対して指摘した場合、
“やることはやっている” “環境がいけない” “自分のミスではない”
といった発言があり、同じミスを繰り返し改善が見られない方、いらっしゃると思います。

個人的な問題もございますが、発達障害の方はネガティブな発言が多く
相手の意見に否定的な態度をとることが多いです。

実際に私も、「いや」「でも」「だって」「どうせ」という発言を多くしてきました。

こういった方で、発達障害の疑いを抱いている場合、
まずは、“自分事に物事を考えさせる指導”から始めてみることをおすすめします。

私の場合、友人によく言われていましたが、まずは相手の立場になってみる
心理学でいうクロスポジションの実施という行動を積み重ねることが一番効果的です。

また、指摘する際は事細かく事実確認を取り、指摘することを心がけてください。
言い訳できないくらいの証拠集めが大切です。

ですから、発達障害の疑いを伝える際も、
事細かく当てはまる特性とエピソードを用いて、定性的定量的にお伝えください。

3.デスク周りの整理整頓ができていないが気にしていない

第一前提として、発達障害の方は掃除が苦手です。
ですからデスク周りが汚くなることはあるあるの話です。

しかし、発達障害者にとって汚いという自覚はなく自分ルールでものを置いている方が大半です。
そのため、本人よりも周りが困っているケースが多い印象です。

デスク周りの整理整頓が出来ていない場合、仕事の優先順位に苦手意識を持っている方が多いので、
まずは、仕事の話を持ち出し、身の回りの話に移行する流れが最適です。

その中で、発達障害の話に触れることもよいですが、
勤務態度に影響がないのであれば、個人的な想いでお伝えするとよいと思います。

発達障害の特性で仕事に影響があり、周りからの配慮が必要と判断した場合
本人へお伝えすることをおすすめします。

4.組織に馴染んで仕事をすることが出来ない

発達障害にとって、暗黙のルールや規則に従うことは大変苦手なことです。

そのため、組織に所属しているにも関わらず、
周りに合わせて仕事をするという行動は発達障害の方は大変苦手としています。

その要因は、曖昧な表現を受け取ることが出来ないからです。

私も過去は、曖昧な表現を受け取ることに苦手意識がありましたが、
現在は仕事に支障がでるほどの苦手意識ではなくなりました。

空気が読めず、ミーティングで不用意に発言してしまうことや、
繁忙期でバタバタしている状況でプライベートの話をしてしまうなど、
周りの状況を察して行動することが出来ていなかったと、今では考えることが出来ます。

感覚の問題になりますが、馴染もうとしないというより、
どうやって馴染めばよいかわからないというのが本音です。

そもそも“馴染もうとしない人”“馴染み方がわからない方”と2つのタイプに分かれますが、
私の場合は馴染み方がわからないタイプでした。

自覚がない方の場合、“馴染もうとしない”タイプであるため、
自分ルールによって行動してしまう方が多い印象です。

組織に馴染もうとせず、周りに悪影響を及ぼすのであれば、障害の有無に関わらず指摘はする
そして、必要であれば本人へ助言を行うことをおすすめします。遠慮は必要ありません。

会社の立場と個人を切り分けて対応してみてください。

「発達障害かもしれないよ」と伝えるときはストレートに伝えてください

発達障害の疑いがある方は、大半の方が困りごとを抱えています

“どうすればいいかわからない”というのが本音です。

発達障害かもしれないと自分自身を疑うこともあります。
しかし、それが本当かどうかは本人では受け入れることが出来ません。

だからこそ、第三者からの助言に心が救われます。

伝える側としては、こんなこと言ってもいいことなのかと悩まれると思います。
しかし、その助言が本人の現状を変える一番の安心材料になります。

その助言によって本人が行動するかしないかは、障害には関係のないことです。

私も第三者からの助言によって救われた一人です。

伝える際は、ストレートに伝えることが大切です。
ぜひ、発達障害の疑いがある方へ助言をしてみてはいかがでしょうか。

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

物事見方や考え方を根底から覆されるような感覚になった書籍です。
自身の障害に悩んだ際、表の情報だけを信じ、偏った考え方になっていたと
改めて考えさせられました。

”世界を正しく見るスキル”

ぜひ、自身の悩みを違った角度から見るきっかけにしてみてはいかがでしょうか

嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え

題名で敬遠しそうな書籍ですが、対人関係の改善をアドラー心理学を用いて紹介しており、実際に読んだ後は、
「他人に嫌われないようにしようなんて無駄な事はやめよう」と思えるようになると感じた書籍でした。

社会人で失敗や挫折を多く経験し、人間関係での悩みを多く抱えていた私にとって、
この書籍との出会いは大変救いとなる出会いでした。

人間関係に悩み苦しむ方へぜひ、おすすめしたい一冊です!!

13歳から分かる! 7つの習慣 自分を変えるレッスン

世界的ベストセラーである7つの習慣の超入門編です!
私にとって、普遍的な生き方の基本を教えてくれた書籍です。
”目標を立てる””優先順位を決める””刃を研ぐ”当たり前のようでなかなか習慣化出来ていないことを
この書籍を読んで気づかされました。

私にとってこの書籍は障害と向き合う基礎となった本です。
本を読むのが苦手な方でもイラストが多く要点を綺麗にまとめてあるので、ぜひ、おすすめしたいです。

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