発達障害にとってテレワークはつらい?集中力の悩みと当事者が実践する対策を紹介

こんにちは、綴木ナヲです。

発達障害を抱えている方、発達障害を疑っている方へ

みなさんはテレワークでの仕事にやりづらさを感じていませんか?

新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに、テレワークという働き方が広がりました。

発達障害の当事者でも、テレワークのほうが働きやすい人もいれば、逆にやりづらさを感じる人もいます。

私自身は、家に居続けるよりも外に出たり、人と直接話したりするほうが気持ちを切り替えやすいタイプで、テレワークにはやりづらさを感じてきました。

この記事では、テレワークで集中力が続かない・チャットで感情が読めない・配慮の相談がしにくいという三つの悩みと、私が実際に実践している対策をご紹介します。同じ悩みを抱えている当事者の方に、少しでも参考になれば嬉しいです。

これから環境を変える方や、在職中の方は自分の悩みと照らし合わせて今後の働き方の参考にしてください。

それではどうぞ!

発達障害当事者がテレワークで仕事をしている様子
目次

発達障害にとってテレワークはやりづらい?

発達障害の方でも、テレワークに働きやすさを感じる人と、やりづらさを感じる人がいます。

ここではあくまで私自身の経験や周囲を見て感じた傾向として、二つのタイプに分けて考えてみます。

医学的に決められた分類ではありませんが、自分がどちらに近いか考えることで、働き方を見直すヒントになるかもしれません。

自宅のほうが落ち着くタイプ
  • 日頃から家にいる方が落ち着く
  • 対面でコミュニケーションを取ることにストレスを感じやすい
  • 環境の変化が少ないほうが安心しやすい

対面でのコミュニケーションや周囲の刺激に疲れやすい場合、自宅の落ち着いた環境で黙々と仕事をするほうが働きやすいことがあります。

出社すると人の動きや会話など、自分ではコントロールできない刺激も増えます。

そのため、自分のペースを保ちやすいテレワークにメリットを感じる人もいると思います。

外に出ることで調子を整えやすいタイプ
  • 家でじっとしていることが苦痛で外出していることが多い
  • 人と会話することで気持ちを切り替えやすい
  • 変化がないと継続が難しい

一方で、私のように人と話したり外へ出たりすることで気持ちを切り替えやすい場合、家の中だけで仕事を続けることにやりづらさを感じることがあります。

対面では表情や声のトーンなども含めて相手を理解できますが、テレワークでは文章だけのコミュニケーションが増えます。

また、通勤や職場そのものが仕事への切り替えになっていた場合、その枠組みがなくなることで集中しづらくなることもあります。

私はこのタイプに近く、家に居続けて仕事をすることにストレスを感じることがあります。

では具体的に、私がテレワークで感じてきたやりづらさをご紹介します。

在宅勤務で集中しようとしている様子

集中が出来ず仕事ができない

自宅で仕事をしていると、集中力が続かないと悩むことがあります。

私の場合、大きな要因の一つが、目に入る誘惑へ注意が移ってしまうことです。

部屋で仕事をしていると、

漫画・テレビ・ゲーム・ベッド・食べ物・音楽など

仕事以外のものが簡単に視界に入ります。

私の場合は、そうしたものへ注意が向いてしまうと、やらなければいけない仕事が分かっていても、仕事の優先順位が下がってしまうことがあります。

以前は、自宅で仕事をしていると注意が散ってしまい、仕事を後回しにしてしまうこともありました。

発達障害でなくても、自宅だと気が散ることはあるのでは?

そう思う方もいると思います。

もちろん、集中しにくさは発達障害のある人だけに起こるものではありません。

ただ私の場合は、変化が少ない環境が長く続くことと、注意が別のものへ移りやすい特性が重なることで、仕事を始めたり続けたりする難しさが強くなります。

オフィスでは「ここは仕事をする場所」という外側の枠があります。

しかし自宅では、仕事をする場所と休む場所が同じになりやすく、その枠が弱くなります。当事者としては、その違いが集中力にも大きく影響していると感じています。

不注意・多動性・衝動性など、ADHDの特性そのものについて詳しく知りたい方は、こちらの記事で私自身の感覚とあわせて解説しています。

そのためテレワークでは、「集中できない自分はダメだ」と考えるより、自分がどんな状況で注意をそらされやすいのかを知り、環境や仕事の進め方を調整することが大切だと感じています。

集中力を維持するための対策

私が意識しているのは、「外の空気を吸うためにベランダに出る」「聴く音楽を変える」「作業する場所を変える」など、小さくても環境に変化を入れることです。

また、スケジュールを確認し、60分に1回を目安に休憩を入れることも意識しています。

注意が散っていると感じたら、誘惑の少ない場所へ移動することもあります。

そして現在、後回し対策として特に大切にしているのが、納期から逆算して「1日単位で何をするか」を考えることです。

たとえば納期が来週だったとしても、「来週までに終わらせればいい」とぼんやり考えるのではありません。

この依頼なら、この作業をこの日に進めて、この日に確認し、最後にデータを渡すというところまで一度整理します。

以前はSNSやYouTubeなどで紹介されている「タスク管理方法」もいろいろ試しました。

最初は管理できても、その方法自体を継続できないことが多く、私には合わないと感じるものも少なくありませんでした。

そこで意識するようになったのが、「管理しすぎないこと」と「管理すること自体を目的にしないこと」です。

メモを使うのか、タスク管理ツールを使うのかは、自分が続けやすい方法でよいと思っています。

ただし私の場合、最低限「この仕事を終わらせるために、何を、いつやるのか」を考える癖だけは外さないようにしています。

ここで大切なのは、何かをしながら考えないことです。

一度手を止めて、冷静に考える時間を作ります。

この癖をつけてからは、納期直前になって初めて必要な作業を洗い出し、「これ、間に合わなくない?」と焦ることがほぼなくなりました。

納期直前の焦りや、何をすればよいか分からず止まってしまう時間も減りました。

私にとっては、細かい管理方法を増やすことよりも、一度止まって、納期までの道筋を考える時間を取ることが、後回しを防ぐうえで効果的でした。

仕事のミスや優先順位の付け方については、こちらの記事でも私自身の失敗と対策を詳しく紹介しています。

社会や働き方が変わっていく中で、自分なりの対処法を作ることは大切です。

同時に、一人で抱え込まず相談することも必要だと実感しています。

次は、そのコミュニケーションについて紹介します。

テレワーク中のチャットコミュニケーションの様子

チャットでのコミュニケーションは感情が読みにくい

テレワークでは、業務の相談やちょっとした確認をチャットで行う機会が増えます。

私が実際に利用していて感じた大きなやりづらさが、「相手の感情がわからない」ことです。

出社して直接相談するときは、相手の表情や声のトーンなども確認できます。

しかし私はもともと相手の感情を読むことに苦手意識があるため、文章だけになると、相手がどう感じているのか分からず不安になることがありました。

たとえばテレワーク中に仕事の指摘を受けたとき、文章を見て「怒っているのでは?」という考えが先に出てしまうことがあります。

その後のやり取りでも萎縮してしまうことがありました。

また、自分から文章で相談するときも、伝えたい内容とは別の意味で受け取られてしまうことがあります。

その場合は、電話へ切り替えて軌道修正することもあります。

文章だけで相手の感情を判断することに難しさを感じる方にとっては、似た経験があるかもしれません。

チャットコミュニケーションへの対処法

私は、大切な相談や文章だけでは伝わりにくい話は電話へ切り替えるようにしています。

ただ、最近はもう一つ大切だと感じていることがあります。

チャットの文章だけで、その人の感情や人柄まで決めつけないことです。

私の場合、出社したときにはできるだけその人と直接コミュニケーションを取るようにしています。

普段から話をして、その人がどんな話し方をするのか、どんな人なのかを知っておくことで、チャットを見たときにも「この人はこんな冷たい人ではない」と自分の中で補完できるようになりました。

つまり、オンラインの文章だけで関係を作るのではなく、対面でベースとなる信頼を作っておくということです。

この考え方を意識するようになってから、以前ほどチャットの文面を気にしなくなりました。

文章の一言一言から「怒っているのでは?」と考え続けることも減っています。

また、結婚して子どもが生まれてからは、仕事だけでなく家事や家計、子育て、家族との関係、自分自身のことなど、向き合うものが増えました。

その中で、すべてのことを100%気にして、すべてに100%の力を使っていたら続かないと感じるようになりました。

実際に生活全体のバランスを崩して体調を大きく崩した経験もあり、それ以降は「どこに自分の気力を使うのか」を考えるようになりました。

その経験もあって、今ではチャットの一文から相手の感情を考え続けることに、以前ほどエネルギーを使わなくなっています。

直接のコミュニケーションで信頼を作り、文章だけでは分からない部分を補う。そして、必要以上に気にしすぎない。今の私にとっては、この二つが大きな対策になっています。

職場での伝え方や、発達障害の当事者と周囲がどうコミュニケーションを取るかについては、こちらの記事で場面別にまとめています。

続いては、配慮を相談する際のやりづらさを紹介します。

テレワーク中の配慮相談を考えている様子

職場に馴染めず配慮の相談がしにくい

この悩みは、私が障害者雇用で就職活動をしていたときには盲点でした。

当時、私にとって「配慮」は出社して働く場面を想定したものという意識が強く、テレワークを想定した配慮についてはあまり考えていませんでした。

そのため、先ほど紹介した「集中力の維持が難しいこと」や「チャットで相手の感情を読み取りにくいこと」について、どこまで自分で対策し、どこから職場へ相談すればよいのか悩みました。

幸い私は、就労支援事業所の定着支援を利用し、第三者へ相談することができました。

その経験から、テレワークだからこそ、職場の中に相談できる相手や理解者を作ることが大切だと実感しています。

テレワーク中の配慮相談を進める方法

私が定着支援を利用しようと思った理由は、仕事の悩みを病院以外にも話せる場所を作りたかったからです。

仕事のストレスや悩みを自分の中だけに抱え込みすぎず、いわば「気持ちの糸を切らないための対策」として定着支援を利用しました。

私の場合、就労支援事業所を卒業して就職したあと、その事業所が継続して定着支援を行ってくれました。

その支援期間が終わった後は、自治体の障害福祉サービスとして定着支援を利用しています。

定着支援の大きなメリットだと感じているのは、自分と会社の間に第三者が入ってくれることです。

上司へ直接言いにくいことがあったり、「相談したいので時間をください」と自分から伝えること自体にハードルを感じたりする場面でも、支援員の方へまず相談することができます。

実際に私も、上司となかなかコミュニケーションを取る時間がなく、仕事の悩みや進め方について相談したいのに相談できない状態が続いたことがありました。

そこで支援員の方へ、「上司と定期的に面談する時間を設けてもらいたい」と相談しました。

その内容を支援員の方から会社へ伝えてもらいました。

その結果、現在では定期的に15分ほど、上司へ仕事の悩みや仕事の進め方について相談する時間を作ってもらえるようになっています。

自分一人で会社へ伝えていたら、ここまでスムーズに進められなかったかもしれません。

支援員の方が状況を整理しながら伝えてくれたことで、会社側にも理解してもらいやすかったと感じています。

定着支援を利用することへの不安や抵抗は、私はほとんどありませんでした。

むしろ私の場合は、自分一人で仕事の悩みやストレスを抱え続けるほうが不安です。

家族や主治医とは別に、必要なときには会社へ直接コンタクトを取ってくれる人がいることは、とても心強く感じています。

私にとって定着支援は、「困ってから最後に頼る場所」ではなく、長く働き続けるために相談先を増やしておくという意味合いが強いです。

もちろん、職場との関係作りも大切です。

仕事の話だけでなく、無理のない範囲で雑談したり、出社したときにコミュニケーションを取ったりすることも、相談しやすい関係を作る一つの方法だと感じています。

すべてを自分一人で解決しようとせず、職場の上司や同僚、支援員など、相談できる相手を増やしておくことが大切だと思います。

私自身が一般雇用から障害者雇用へ働き方を変えた理由については、こちらの記事で詳しく振り返っています。

まとめ:発達障害でもテレワークを乗り越えるために

今回は、私自身がテレワークで感じてきた三つのやりづらさと、その対策について紹介しました。

この記事のポイント
  • 集中力が続かない:休憩・場所の移動・音楽の変更などで環境に変化を入れる。さらに、納期から逆算して1日単位で必要な作業を考え、一度止まって整理する時間を作る
  • チャットで感情が読みにくい:重要な相談は電話へ切り替える。出社時の直接のコミュニケーションで相手への信頼を作り、チャットの文章だけで感情を判断しすぎない
  • 配慮の相談がしにくい:定着支援など第三者の力も借りながら、職場で相談できる環境を作る。私の場合は支援員から会社へ伝えてもらい、上司との定期的な面談につながった

テレワークでうまく働くために必要なのは、「自分だけで頑張ること」ではないと私は感じています。

自分がどんな環境で集中しづらいのか、どんなコミュニケーションで不安を感じるのかを少しずつ理解することが大切です。

必要であれば周囲の力も借りながら調整していくことも、長く働くための一つの方法だと思います。

もし、職場に配慮を相談したり、自分なりの対策を続けたりしても働きづらさが大きい場合は、「今の職場で頑張り続ける」以外の選択肢を知っておくことも、自分を守る方法の一つだと思います。

今の職場以外の選択肢も見ておきたい方へ

すぐに転職を決める必要はありません。

ただ、今の職場で工夫を続けても働きづらさが大きい場合は、障害者雇用専門の転職サービスで、どのような求人や働き方があるのかを情報収集しておく方法もあります。

私自身も一般雇用から障害者雇用へ働き方を変えた経験があります。今すぐ環境を変えるかどうかとは別に、「自分にはほかの選択肢もある」と知っておくことは、気持ちの余裕にもつながると思います。

※転職を勧める意図ではありません。今の職場で働き続けることも含め、自分に合う選択肢を比較するための情報収集として紹介しています。

一方で、「自分はADHDかもしれない」「診断を受けたあと、どう行動すればいいのか分からない」という方は、受診からその後の選択肢までをまとめた記事も参考にしてください。

テレワークで使えるツールや支援サービスについても、今後ご紹介できるよう準備中です。

自分に合う働き方や対策は、少しずつ見つけていけば大丈夫です。

私自身も、試行錯誤しながら働き方を整えています。

ありがとうございました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

高校2年生の不登校をきっかけに、スクールカウンセラーの勧めで大学病院を受診し、発達障害(ADHD)の診断を受けました。

その後、専門学校を卒業して社会人になるものの、働き方や人間関係につまずき、一時期は社会から距離を置くような引きこもり期間も経験。

就労支援事業所への通所を経て、現在は上場企業のオープンポジション枠で、障害者雇用として管理部門に勤務しています。

今は発達障害と向き合いながら、結婚・子育て・マイホーム購入・住宅ローン返済中のリアルな日々を過ごしています。

このブログでは、不登校・いじめ・就職・障害者雇用・制度活用・子育て・暮らしの工夫など、これまでの経験をもとに、同じように悩む方やご家族に向けて発信しています。

コメント

目次