大人のADHD症状を当事者が解説|不注意・多動性・衝動性のリアルな感覚と対処法

・ADHDと診断された
・ADHDの子どもを育てている
・具体的な症状をリアルな感覚で知りたい

今回は、こういった疑問や悩みにお答えしていきます。

「ADHD」と聞いて、どのようなイメージをお持ちでしょうか。
「落ち着きがない子ども」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、
大人になってからも症状が続くケースは決して珍しくありません。

この記事では、ADHD当事者である筆者自身が、
不注意・多動性・衝動性という3つの症状をリアルな感覚でお伝えします。
医学的な解説よりも、「実際にどう感じるのか」という本人目線を大切にした内容です。

私がADHDを含む発達障害と診断されたのは、今から15年以上前、高校生の頃です。
高校入学後の環境変化になかなか馴染めず、不登校の時期が続いたことをきっかけに、
スクールカウンセラーから「発達障害かもしれない」と言われ、大学病院の思春期外来を受診しました。

ただ、診断を受けた当時の私は、正直なところ「自分が発達障害なんだ」とはっきり実感できていませんでした。母はその頃から発達障害について調べてくれていましたが、家族の中でも受け止め方には違いがあり、私自身も定期的に通院することは選びませんでした。

本当の意味で自分の特性を実感したのは、大人になって社会人として働き始めてからです。
仕事の中で「どうしてこんなにやりにくいんだろう」と感じる場面が増え、
あらためて病院に行ったことで、ADHDの特性と向き合うようになりました。

ADHDと診断されたばかりで「自分の症状って具体的にどういうことなんだろう」と感じている方や、診断後の次のステップを知りたい方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

なお、この記事は医学的な診断基準を解説するものではなく、
本人目線で感じていることをお伝えする内容です。
症状や対処法については、必要に応じて専門医や医療機関にご相談ください。

目次

注意欠陥多動性障害(ADHD)の頭の中をイメージで解説

ADHDの頭の中を砂時計で例えてみました。
下の図をご覧ください。砂は神経伝達物質のイメージです。

通常の場合

神経のくびれが広く、脳からの神経伝達物質が余裕をもって身体に伝達できます。

均一に神経伝達物質が身体にいくため、
体の動かし方や頭の制御を問題なく行うことができます。

砂の量が増えても、くびれが広いため量の変化にも対応しやすい状態です。

ADHDの場合

通常よりくびれが狭く、落ちる量や伝わり方が不規則なため、
脳と体のバランスが取りにくい状態になりやすいと考えられています。

注意が散漫になったり、体を動かしすぎてしまったりと
制御がうまくいかない場面が増えることがあります。

砂の量が増えても落ちる量は変わりにくいため、
キャパオーバーになりやすい
傾向があります。

このように、通常の状態とADHDの状態を比較してみると、
外見からはわかりにくいけれど、内面には明確な違いがあることが伝わるかと思います。
周囲から理解されにくいのも、ADHDの特徴の一つです。

私自身は薬の処方を受けながら日常生活を送っていますが、薬を飲んでいない時間は後述のような状態になりやすく、通常時との差を感じる瞬間が度々あります。

このイメージから考える、ADHDへの向き合い方

このイメージを踏まえた上で、まず取り組みやすい対処の考え方として、
自分自身のキャパシティを把握することが参考になる場合があります。

キャパシティを超えてしまうことで、
脳と体のバランスが崩れやすくなり、ミスが起きやすくなるという仕組みではないかと感じています。

私自身も、キャパシティを意識しながら疲れたときは休憩を優先するようにしたり、
ToDoリストの活用を習慣化したりしています。

キャパシティの把握は最初は難しく感じるかもしれませんが、
症状が出てきたタイミングをサインとして意識することが、一つの手がかりになります。

ポイント
  • 自分自身のキャパシティを把握する
  • 症状が出てきたらサインとして受け止める
  • 疲れたときは意識的に休憩を取る

続いて、日常生活での具体的な症状を解説します。

ADHDの3つの主な症状を当事者目線で解説

ADHDの代表的な症状として、以下の3つがよく挙げられます。

  • 不注意
  • 多動性
  • 衝動性

子どもの頃に比べて、大人になるにつれて症状が目立ちにくくなると言われることもありますが、
大人になっても症状が続いているケースは増えており、社会生活に影響を及ぼすこともあります。

また、重要なポイントとして、ADHDの症状は人によって大きく異なるという点があります。

ネット上の情報を見ても、自分に当てはまるものとそうでないものがあるかと思います。
当てはまらない項目があるからといって、ADHDではないとは言い切れません。

少しでも自分自身が気になっている、または周囲から指摘されたことがある方は、
専門医や医療機関に相談してみることも選択肢の一つです。

不注意

不注意は、ADHDで最もよく知られている症状の一つです。
単純なうっかりミスとは少し異なり、注意を向けたいのに気づかないうちに意識がそれてしまう、という感覚に近いことが多いです。

仕事の場面では、ミスを繰り返したり、同じことを確認してもまた忘れてしまったりという経験として現れることがあります。

多動性

多動性は、「じっとしていられない」「体が動いてしまう」という形で現れることが多いです。
子どもの頃は動き回る行動として目立ちやすいですが、大人になると「頭の中が常に忙しい」「考えがとまらない」という内面的な多動として現れることもあります。

また、仕事の優先順位がうまくつけられない、複数のタスクを同時に抱えるとパニックになりやすいといった困りごととして感じる方も少なくありません。

ADHDで仕事が遅い・優先順位がつけられない原因と対策を当事者が解説した記事はこちら

衝動性

衝動性は、「考えるより先に行動してしまう」「感情が先に出てしまう」という形で現れやすい症状です。
会話の途中で割り込んでしまったり、欲しいものをすぐに買ってしまったりといった行動として日常に影響することがあります。

衝動性はコントロールが難しいと感じる方も多く、「わかっているのにやめられない」という経験をお持ちの方もいるかと思います。

ADHDと診断された後の治療の流れを当事者が解説した記事はこちら

PR|日々の気分や考え方を整理したい方へ

頭の中が忙しい日こそ、気持ちを「見える化」してみませんか?

ADHDの特性があると、考えが次々に浮かんだり、気分の波に振り回されたりして、自分でも疲れてしまうことがあります。

診断や治療については医療機関への相談が大切ですが、日々の気持ちや考え方を整理する方法として、メンタルケアアプリを活用するのも一つの選択肢です。

Awarefyは、気分の記録やセルフケアを通じて、自分の状態に気づきやすくするためのメンタルケアアプリです。

※診断・治療を目的としたものではなく、日々のセルフケアをサポートするアプリです。

診断後にどうすればいいか|症状と向き合うための考え方

ADHDと診断された、または診断を検討している方がよく感じるのが、「で、次はどうすれば?」という疑問ではないでしょうか。

まず大切にしたいのが、周囲の理解を少しずつ得ていくことだと思います。

そのためには、自分自身が苦手なことに対して、
「どのように対処しているか」「どのようなサポートがあると助かるか」を整理することが一つの出発点になります。

これは、障害者雇用での就職活動の面接などで問われることの多い内容でもあります。

生きづらさを感じているのであれば、「どうすれば自分が少し楽になるか」を軸に、
相手に求めすぎない形で整理することが、長続きする工夫につながりやすいと感じています。

環境や状況は人それぞれ異なりますが、自分の味方になってくれる人は必ずいます。

周りの理解を得るためには、まず自分が何を伝えるかを整理することが一歩目になるのではないでしょうか。

まとめ

ADHDをネットで調べると、情報が多すぎてどれが自分に当てはまるのかわからなくなることがあります。

その中でぜひ覚えておいてほしいのは、
ネット上の情報がすべて自分に当てはまるわけではないということです。

生きづらさを感じている原因を少しずつ見つけて、自分にできることを探すこと。
そして、他の人と同じである必要はまったくないこと。
この2つを意識しながら、周囲と一緒に少しずつ乗り越えていきましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

高校2年生の不登校をきっかけに、スクールカウンセラーの勧めで大学病院を受診し、発達障害(ADHD)の診断を受けました。

その後、専門学校を卒業して社会人になるものの、働き方や人間関係につまずき、一時期は社会から距離を置くような引きこもり期間も経験。

就労支援事業所への通所を経て、現在は上場企業のオープンポジション枠で、障害者雇用として管理部門に勤務しています。

今は発達障害と向き合いながら、結婚・子育て・マイホーム購入・住宅ローン返済中のリアルな日々を過ごしています。

このブログでは、不登校・いじめ・就職・障害者雇用・制度活用・子育て・暮らしの工夫など、これまでの経験をもとに、同じように悩む方やご家族に向けて発信しています。

コメント

コメント一覧 (9件)

目次