発達障害を隠して入社した社員の対応方法を知りたい
発達障害の疑いがある社員を解雇したい
入社後の勤務態度に困っている
今回はこの悩みをテーマに記事を書きました。
たかちゃん
ADHD×ASD歴10年。20代会社員。 現在は障害者雇用として大手IT企業の採用担当をしています。 本ブログは、これまで私が経験した多くの失敗や挫折を同じ障害で悩む方に向けて発信しています。 私の生きがい「野球・音楽・旅行」人生を笑顔で過ごすをモットーに日々奮闘中です!
私も障害を隠して入社したことがございます。
「発達障害を開示したら働く場所がない」
この気持ちを当時は一番強く抱えていました。
今思えば、隠して入社したその後が一番辛いことを身に染みて感じています。
障害を隠して入社した本人の立場では、2択の選択しかありません。
・自主退職する
・自己対処をしながら働く
ですが、企業の立場では選択肢が多くあり、
対応に悩まれている人事担当の方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな人事担当者の方に向けて、
「隠して入社した発達障害への適切な対応策」を当事者目線で紹介したいと思います。
ぜひ、最後までご覧ください!
発達障害を隠して働いている人は大勢いる??
現在、20歳以上の精神障害者数は全国で約392万にいらっしゃいます。
その内、精神障害手帳を取得されている方は約60万人。
そして、精神障害を開示して働いている方(障害者雇用)は、
全国で4.2万人です。*厚生労働省「患者調査」引用
発達障害は精神障害の括りになる為、精神疾患の方も含まれていますが、
単純に数字だけ見ると、大半の方が手帳を取得せず、障害を隠して働いていると考えられます。
障害手帳は、発達障害と診断を受け、6ヶ月間通院したのち、
主治医の判断と本人の意思で手帳を取得することが出来ます。
実際に私も主治医からは手帳が取得できると言われていましたが、
手帳を取得することで「障害者」という認定を受けることに抵抗があり、
長い間手帳を取得せずにいました。
あくまでも主観ではございますが、
発達障害と診断された後、定期的な通院はされず、
「診断されただけ」の方は多いのではないかと考えています。
障害を隠して入社した社員が手帳を取得しているのであれば、障害者雇用の打診という選択もございますが、手帳を取得していない「診断されただけの人」への対応が一番悩まれるのではないでしょうか。
では、「診断されただけの人」の対策を紹介していきます。
発達障害を隠して入社した障害手帳未取得社員への対策とは
具体的な対策はこちらです。
1.両親に現状を説明する
2.病院への同席
3.情報を整理して適切な配置へ配属させる
当事者の第三者に話を聞くことは大変重要です。
まずは、情報を集めることを第一に色々な選択肢を検討してみてください。
1.両親に状況を説明する
まずは、両親に状況を説明することが一番です。
私は新卒の際、障害の特性からの悩みを抱えてしまい、
上司に障害を打ち明けたところ、バックヤードの仕事へ異動になりました。
その際、私の両親が会社に呼ばれ事実確認されたとのことです。
私が経験した会社の対応が、正解か不正解かはわかりません。
ただ、学生のときは障害特性で困らなかった、そして周りと一緒のタイミングで就職した。
入社後に改めて障害の特性が出るようになった、ということです。
両親を呼んで聞くべきこと、
それは「一番身近にいる両親が把握している本人の特性です」
両親を責めても、その後は何も変わりません。
あくまでも「今後変えられること」の視点で両親から情報を聞き出すことが大切です。
2.病院への同席する
会社の人間が病院に同席していいの?と疑問に思う方もいると思います。
結論から言うと、本人さえよければ同席は出来ます。
実際に私も障害者雇用で働く前、一部の先輩社員に障害を開示しており、
その先輩が病院に同席して、私への対応を一緒に考えてくれました。
(当時の先輩には感謝してもしきれません…)
もちろん嫌だという場合もございます。
ですが、主治医と会社の人間の1対1で話すことも出来ます。
その場合は、当事者と交互に入室する形になることが多いです。
また、私の母は心療内科で働いているのですが、
実際に会社の人間と病院に訪れる方は多いとのことです。
こういった情報は、表には出ていないですよね…
同席が可能であれば、主治医から特性を聞きだし会社での出来事を話しましょう!
そうすることで、その後の対応策が見えてくると思います。
3.情報を整理して適切な配置へ配属させる
ここまでくれば、社員の特性が大体把握できると思います。
把握した情報を元に、
当事者に合いそうな配属先へヒアリングを行うことをおすすめします。
このヒアリングというのが何よりも大切です。
「特性により仕事に支障が出る」というのは配属先がミスマッチなだけです。
「出来ないこと」よりも「出来ること」に目を向けることがポイントです。
ヒアリングを行って「当事者」「人事」「現場」の3者間が納得する条件を
見つけていきましょう!!
発達障害を隠して入社する当事者の気持ち
当事者からすると人にもよりますが、
「申し訳ない」という後ろめたさを持っている方が多いと思います。
中には、改善しようとしない方もいらっしゃいますが、
こういった方は、危機的状況になると焦って治そうとする方です。
障害を隠して入社するのはなぜか、
それは、障害があるだけで働き先がなくなる恐怖が理由です。
「障害を隠さなければいけない」という社会全体の問題になりますが、
障害を開示したとしても、仕事が少ないことも事実としてあります。
「障害者の仕事は簡単なものでいい」「重要な仕事は任せられない」
という社会の固定概念を日々感じて生活していますが、約392万人の精神障害者の中でも、
自分の特性を活かして周りに障害者だと感じさせることなく働いている方もいらっしゃいます。
障害の有無に関わらず「特性や個性を活かした配置を考える」という
タレントマネジメントも障害を隠して入社した社員への、
一つの対策ではないかと考えています。
会社側としても、状況や環境は様々あると存じますが、
ぜひ、前向きに居場所を検討してみてください。
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