何度注意しても改善されない部下への接し方|ADHD当事者が教える3つの対策

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悩んでいる人
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何度注意しても、また同じミスをされてしまう…

どう接すればいいか考えすぎて、自分が疲れてきた

これって本人の意識の問題?それとも何か別の原因がある?

今回は、この悩みをテーマに記事を書きました。

「同じ注意を何度もしなければならない」状況は、注意する側にとっても大きなストレスです。
いろいろな接し方を試してみたけれど上手くいかず、“我慢”という選択肢しか残っていない…そう感じている方も多いのではないでしょうか。

筆者たかひろのプロフィール写真
 

たかひろ

ADHD×ASD歴10年。20代会社員。現在は障害者雇用として大手IT企業の採用担当をしています。本ブログでは、これまで経験した失敗や挫折を、同じ障害で悩む方・周囲で支える方に向けて発信しています。「野球・音楽・旅行」を生きがいに、笑顔で毎日を過ごすことをモットーに奮闘中です!

 

私自身、ADHD・ASD当事者として、職場で何度も同じ注意を受けてきた経験があります。

注意する側・受ける側、どちらの立場もある程度理解できるからこそ、
この記事では「当事者に意識させる」ための具体的な接し方を、体験談をもとにお伝えします。

同じ注意を何度も受けてしまう原因は、大きく2つ考えられます。
生育環境による個人的な原因」と「発達障害の特性による原因」です。

まずは、「自分にとっての当たり前が、相手にとっての当たり前ではない」という前提を念頭に置いてみましょう。この視点を持つだけで、接し方のヒントが見えてきます。

職場でのミーティング風景
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同じ注意を何度も受けてしまう根本原因:「ワーキングメモリ」とは?

「何度注意しても改善されない」背景には、
本人の意志の問題ではなく、脳の情報処理の仕組みが関係していることがあります。

そのカギとなるのが、“ワーキングメモリ”という概念です。

ワーキングメモリとは、入ってきた情報を脳内に一時的にメモし、
どの情報を優先すべきか整理し、不要な情報を削除する能力のことを指します。

ワーキングメモリが関係している主な作業には、以下のようなものがあります。

1.電話口で複数の情報を聞きながら、同時にメモや記憶をする
2.大量の資料を短時間で読み込み、内容を把握する
3.質問の意図を理解しながら、同時に頭の中で回答をまとめる

これらの作業を苦手とする場合、ワーキングメモリの容量が少ないことが一因として考えられます。
これは発達障害の有無に関わらず、誰にでも起こりうることです。

ただし、発達障害(特にADHDやASD)の方は、この傾向がより強く出やすいとされており、
上記の苦手な作業が、発達障害の特性と重なる部分が多い点も注目されています。

ワーキングメモリの容量が少ない場合、
一度に処理できる情報量に大きな制限があるため、情報を効率よく処理する必要があります。

しかし、容量を超えた情報が一度に入ってくると
脳に負荷がかかり、効率よく情報を処理できない状態に陥ってしまいます。
その結果、「注意された内容」が正しく処理・記憶されないまま終わってしまうのです。

これが、同じ注意を何度も繰り返してしまう仕組みの一つです。

私自身も、職場で同じミスを繰り返してしまっていた時期があります。
「なぜ覚えられないんだろう」と悩んでいましたが、自分のワーキングメモリの特性を知ったことで、対策を取れるようになりました。

※ワーキングメモリや発達障害の特性については、専門医や支援機関に相談することで、より正確な評価や支援を受けられる場合があります。



何度注意しても改善されない方への、3つの具体的な対策

原因が理解できたところで、いよいよ本題の対策を紹介します。

重要なのは、「当事者に意識させる」アプローチを取ること。
一方的に注意を繰り返すだけでは、残念ながら状況はなかなか改善されません。

具体的には、以下の3つの対策が有効だと考えています。

① 「聴覚・視覚」のどちらのアプローチが効果的かを見極める
② 業務プロセスを単純化して、情報処理の負担を減らす
③ 仕事への意欲向上を図り、注意散漫の根本原因に向き合う

それぞれ詳しく解説します。

① 「聴覚・視覚」のどちらのアプローチが効果的かを見極める

記憶の定着には、ワーキングメモリへ情報が入り、そこから主記憶として蓄積されるプロセスがあります。これは、コンピューターの処理の仕組みと似ています。

そしてワーキングメモリへ情報が入る経路は、
主に視覚(見ること)聴覚(聴くこと)の2種類があります。

発達障害の方に限らず、
人によって「見て覚えるほうが得意」か「聴いて覚えるほうが得意」かは異なります。
どちらが優位かを把握することが、効果的な注意の第一歩です。

以下のような状況に心当たりがある場合は、注意の方法を見直してみましょう。

【見直しチェックリスト】
① 注意はいつも口頭のみで、指示も口頭が大半になっている
② 注意はいつもメールや書面のみで、口頭での補足をほとんど行っていない

どちらかに偏っている場合、注意の方法が本人の特性に合っていない可能性が考えられます。

たとえば、視覚優位の方には「口頭で注意した内容を、後からメモやメールで補足する」。
聴覚優位の方には「書面を渡した後に、口頭で内容を説明し直す」といった工夫が効果的です。

私自身、視覚でとらえる情報のほうが記憶に残りやすい傾向があるため、
口頭だけで言われた内容は抜け落ちてしまうことが多くありました。
「書いてもらえると助かります」と伝えてから、ミスが明らかに減ったという実感があります。

まずは、記憶に定着させるという視点から、注意の伝え方を見直してみることをおすすめします。

② 業務プロセスを単純化して、情報処理の負担を減らす

次の対策は、業務プロセスそのものを見直すことです。

情報を効率よく処理する方法を、幼い頃から身につける機会がなかった場合、
大人になってからも「どの情報を優先すべきか」の判断が難しいまま仕事をしていることがあります。

パソコンで例えると、
メモリが少ないパソコンで、多くのソフトを同時に立ち上げた結果フリーズしてしまう状態です。
これは、人間の脳の記憶処理も同様の仕組みで起こります。

ワーキングメモリの容量が少ない方が、一度に多くのタスクを抱えてしまうと
情報処理が追いつかなくなり、注意された内容が正しく処理できていないことがあります。

この場合の対策として有効なのが、業務プロセスの単純化です。

【業務プロセス単純化のポイント】
・タスクの優先順位を見える化する(ToDoリスト・付箋・タスク管理ツールの活用)
・一度に依頼する作業の数を絞る
・手順をマニュアル化して「頭で考えなくてもできる状態」を作る
・属人化を防ぎ、誰がやっても同じ手順でできる仕組みを整える

大半の方が情報過多の状態に陥っています。
タスクの整理と業務プロセスの見直しで、脳に入ってくる情報量を減らしてあげることが、
改善への大きな一歩になります。

この状態が整ってはじめて、先ほど紹介した「視覚・聴覚アプローチ」が効果を発揮しやすくなります。

③ 仕事への意欲向上を図り、注意散漫の根本原因に向き合う

3つ目の対策が、仕事への意欲向上です。

仕事への意欲が低下すると、注意散漫な状態が生まれやすくなり、
結果としてミスが繰り返されやすくなります。
これは、障害の有無に関わらず、誰にでも起こりうることです。

この状態を長期間放置してしまうと、離職体調不良につながるリスクもあります。

まずは、当事者との個別面談を設けることをおすすめします。
意欲を回復させることは簡単ではありませんが、ミスが続く背景にある原因を把握するきっかけになります。

面談では、以下のような視点を持って話を聞いてみましょう。

・今の業務量や業務内容は、本人にとって適切かどうか
・どの業務なら得意・苦手を感じにくいか
・困っていることや悩んでいることがあるかどうか
・強みが活かせる業務への配置転換が可能かどうか

単純に適職でない可能性もあるため、本人の強みを活かす方向での検討も大切です。

配置転換や業務変更が難しい場合は、就労支援サービスや産業医への相談も選択肢の一つとして検討してみてください。

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職場で働く人のイメージ

何度も注意を受けている方は、すでに自信を失っている可能性があります

注意をする側の立場では、「なぜ改善されないのか」という気持ちが強くなるのは自然なことです。

一方で、同じ注意を何度も受けている側の方は、大半がすでに大きく自信を失っています
私自身も、発達障害と向き合う前はまさにこの状態でした。
何度注意されても直せない自分に嫌気がさし、毎日職場に行くのがつらかった時期があります。

上司
上司

 

そんなに悩んでいるなら、もっと早く相談してくれればよかったのに!

こう思う方も多いかもしれません。

しかし、「相談する」ということは、周りが思っている以上にハードルが高いことです。
自信を失っているからこそ、「つらい」の一言が出せず、一人で抱え込んでしまうのです。

もし、同じ注意を繰り返さなければならない状況に悩んでいるなら、
まずは「責めているわけではない」という前提を示した上で、現状について一緒に話し合う場を作ってみましょう。

その一歩が、思わぬ改善のきっかけになることがあります。
最初は、策を講じる前に「対話」から始めてみることをおすすめします。

まとめ:接し方のカギは「仕組み」と「対話」にある

今回の記事では、同じ注意を何度も受けてしまう方への接し方について、
ADHD当事者の経験をもとに解説しました。

【今回のまとめ】
・繰り返しミスが起こる背景には、ワーキングメモリの特性が関係している場合がある
・「視覚」か「聴覚」か、本人に合った伝え方のアプローチを見極める
・業務プロセスを単純化し、一度に扱う情報量を減らす工夫をする
・面談を通じて意欲低下の原因を探り、強みを活かせる環境を検討する
・注意を繰り返す前に、まず「責めない対話」の場を作ることが重要

「なぜ改善されないのか」という問いに対して、「本人の意識が低いから」という結論を出す前に、
脳の仕組みや業務環境に原因がないかを一度見直してみることが、関係改善への大切な第一歩になると考えています。

発達障害や特性に関する専門的な支援については、産業医・支援機関・医療機関への相談も有効な選択肢の一つです。一人で抱え込まず、使える資源を積極的に活用してみてください。

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コメント

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