ADHDの私が障害者雇用を選んだ3つの理由|うつ経験者の当事者体験談

何をやっても上手くいかない

ADHDかもしれないけど、病院に行く勇気がない

自信も持てないし、劣等感に押しつぶされそう

もう、怒られたくない

この記事は、そんな悩みを抱えている方に向けて書きました。

私はADHDとASDの診断を受けており、
社会人になってから二次障害としてうつ病を発症した経験があります。

一般雇用で働いていた頃は、
仕事でのミスを繰り返してしまい、上司に叱られることが多い日々でした。

声

「怒られないようにしないと」
「なんでこんな簡単なことも出来ないんだろう」
「本当に自分って駄目なやつだな…」

毎日そう自問自答しながら、それでも「もっと頑張れば変われるはず」と信じて働き続けました。でも、状況は変わらなかった。

そんな経験を経て、私が選んだのが障害者雇用という働き方です。

障害者雇用を選んだのは、自分自身が抱える不安を少しずつ解消できると感じたからです。

この記事では、私がなぜ障害者雇用を選んだのか、その理由を3つに整理してお伝えします。

一般雇用での仕事や私生活がうまくいかず、生きづらさを感じている方にとって、
人生の選択肢の一つとして参考になれば幸いです。

目次

一般雇用で感じていた生きづらさ

障害者雇用を選ぶ前、私は一般雇用で働き続けていました。

ADHDの特性が出ることで職場での信頼を失い、「自分を変えれば何とかなる」と思いながら転職を繰り返してきました。しかし環境を変えても、状況はほとんど変わりませんでした。

その根本的な原因が、障害を隠したまま働き続けていることにあると気づくまでに、かなり時間がかかりました。

職場での具体的なエピソード(筆者の体験)

私が一般雇用で働いていた頃は、
障害を隠していること自体が大きなプレッシャーになっていました。

毎日、周りに合わせようと必死で、今振り返るとフルマラソンを全力疾走で走り続けているような感覚でした。そのため、ひとつの職場で長く働き続けることが難しく、転職を繰り返してしまった時期があります。

仕事では、一度注意されたミスをまた繰り返してしまい、上司に呆れられているように感じることもありました。最初は周りと問題なく関われていても、ミスが続いたり、障害特性から無意識に失言をしてしまったりすることで、少しずつ職場に居場所がないように感じてしまっていました。

通院についても、はっきり「通院です」とは言いづらく、午後休や体調不良による早退という形で対応していました。ただ、定期的に通院が必要だったため、何度も同じような理由で休むことに気まずさがありました。

ちょっとしたミスや叱責に対しても、「これは障害特性からくるミスかもしれない。でも、それを理由にはできない」と自分を責めてしまうことが多かったです。

ADHD当事者が障害者雇用を選んだ3つの理由

ここで一つ質問です。

「障害者雇用に対して、あなたはどのような印象を持っていますか?」

就労支援事業所で訓練生の方々と話していると、通所前は多くの方が障害者雇用に対してネガティブな印象を抱いていたとおっしゃいます。

ネガティブな印象の例

「仕事が単調」「給料が少ない」「障害者扱いされることが不安」

こういった印象を持つ方が多い一方で、就労支援事業所でさまざまな企業と接する機会を経て、

前向きな印象の例

「自分の可能性を広げられそう」「障害を抱えていることを悲観的に思う必要はない」

と、障害者雇用に対して前向きになった方が多く、私もその一人です。

では、私が障害者雇用を選んだ具体的な理由を3つご紹介します。

理由①:障害を隠している不安が解消される

これは、私にとって非常に大きな不安でした。

ADHDの特性が出ることで同僚に不信感を抱かれ、職場での居場所を見失ってしまう。そして環境を変えようと転職を試みても、状況は変わらず転職を繰り返してしまいました。

その根本的な原因は、障害を隠していることへの不安でした。

周囲からすれば、ミスの背景に「障害が影響している」とはわかりません。そのため、

「怠けている」「努力不足だ」「なぜそんな簡単なことが出来ない」

といった印象を持たれてしまい、それが不信感につながってしまいます。

当事者としては自分なりの対処法を身につけていたとしても、業務の内容によっては、ある程度の配慮が必要な場合もあります。

そのため、障害を隠しながら配慮なしで働き続けることに、常に不安を感じていました。

また、通院が必要な方にとっては、休日に対応できる心療内科が限られているという問題もあります。平日の仕事終わりや、有給を取得して通院する必要が生じることも少なくありません。

心療内科への通院となると、会社全体に知られてしまうリスクがあると感じ、話すことをためらう方も多いのではないでしょうか。

私の場合、服薬している薬の副作用がありましたが、体調不良とは言えず我慢して仕事をしていた時期がありました。

障害を抱えていることへの劣等感を感じ続けていましたが、就労支援事業所でさまざまな企業を訪問する中で、「障害を打ち明けることは恥ずかしいことではない」と、企業の人事担当者との対話を通じて考えられるようになりました。

企業の人事担当者の中には、発達障害について深く勉強されている方も多く、会社に理解者がいてくれる安心感を持てることが、障害者雇用を選ぶ一つの決め手になりました。

障害のある方にとって、職場に理解者がいることは、安心して働き続けるための大切な要素の一つではないでしょうか。

理由②:障害者雇用に需要を感じた

現在は多くの業界で、障害者の人材不足が課題となっています。

これは、企業が想定しているよりも求職者が集まりにくいという現状が背景にあります。

その要因の一つとして、障害者を積極的に囲い込み採用する大手企業の動きが影響しています。法定雇用率の引き上げについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。

大手企業は雇用しなければならない障害者の人数が多いため、採用人数が多く手厚いサポートが受けられる大手企業への応募が集中しやすく、結果として中小企業やベンチャー企業への応募が少なくなっています。

私が参加した合同説明会でも、大手企業のブースは常に混雑しており、中小企業やベンチャー企業には人がまばらな状態でした。

需要のある障害者人材になることを決意

では、需要のある障害者人材とはどのような人だと思いますか?

それは、障害者雇用で長期的に働いた実績がある人材です。

障害者雇用で働かれる方の約半数は、1年以内に退職しているとされています。(厚生労働省の雇用状況報告に基づく。最新の数値については公式情報もあわせてご確認ください。)

多くの企業にとっては雇用実績に直結するため、長期的に安定して働ける人材を求めているケースが多くあります。

「障害者雇用で安定して働いている」「ある程度の実務経験がある」人材は、どの企業にとっても貴重な存在です。

こういった実績のある人材はほとんどが大手企業に採用されます。そのため中小企業やベンチャー企業が差別化を図るためにできることとして、「賃金を高く提示すること」が一つの方法となっています。

障害者雇用は収入が低いとイメージされることも多いですが、障害者雇用で実績を積み、需要のある人材になることで、収入面の不安も段階的に改善できる可能性があります。

収入面の課題が整理されれば、雇用形態についての悩みも小さくなるかもしれません。これが2つ目の決め手です。

理由③:自分を大切にする人生を選んだ

それまでの私の働き方は、「なりたい自分」を目指し続ける働き方でした。

しかしその結果、うつ病を発症し、転職を繰り返してしまいました。

「今の自分がどうすれば良い方向に進めるか」を改めて考えたとき、行き着いたのは、

「コツコツと積み上げていくこと」

という、シンプルな答えでした。

一般雇用という選択肢もありましたが、過去のリカバリーも含めて全力疾走してしまうだろうと感じ、一度気持ちをリセットして一つひとつ社会人経験を積み重ねていこうと考えました。

この考えの軸になったのが「自分を大切にする生き方」です。

理想を追い求めすぎて心身を壊し続ける人生より、朝起きて、仕事して、ご飯を食べて寝るという生活を問題なく送ることが、障害と向き合う中で自分にとって一番の幸せだと感じられるようになりました。

私はその幸せのために障害者雇用を選びました。これが3つ目の決め手です。

この先どうなるかはわかりませんが、今日があるだけで幸せだと思いながら、コツコツ信頼を積み重ねていこうと思っています。

障害者雇用に興味を持ったら、まず一歩踏み出す選択肢

この記事を読んで障害者雇用への転換を少し考えてみようと思った方は、まず情報収集から始めることをおすすめします。

私自身、就労支援事業所に通ったことで、障害者雇用についての理解が深まり、職場への不安が少しずつ整理されていきました。

PR|障害者雇用に向けた就労支援を調べたい方へ

障害者雇用に興味を持ったら、就労移行支援という選択肢もあります

障害者雇用を考え始めたとき、いきなり求人へ応募するのが不安な方もいると思います。 そのような場合は、就職に向けた準備や相談ができる就労移行支援サービスを調べてみるのも一つの方法です。

私自身も、就労支援事業所に通ったことで、障害者雇用への理解が深まり、働く前の不安を少しずつ整理できました。 「自分に合う働き方を相談しながら考えたい」と感じている方は、まずは支援内容を確認してみてください。

※就労移行支援は、障害のある方が就職に向けて準備や相談を進めるための支援サービスです。利用条件や支援内容は公式サイトでご確認ください。

まとめ

障害者雇用は、あくまでも人生の選択肢の一つです。

仕事や日常生活に生きづらさを感じているなら、まずその生きづらさをどう整理するかを考えてみることが、次の一歩につながるかもしれません。

私が障害者雇用を選んだ3つの理由を振り返ると、

  • 障害を隠している不安を解消できること
  • 需要のある人材として長期的に働ける可能性があること
  • 自分を大切にする働き方を選べること

この3つが、私にとっての決め手でした。

同じような悩みを抱えている方にとって、この記事が選択を考えるきっかけの一つになれば幸いです。現状を変える小さな勇気が、新しい自分を見つけるはじめの一歩になるかもしれません。

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この記事を書いた人

高校2年生の不登校をきっかけに、スクールカウンセラーの勧めで大学病院を受診し、発達障害(ADHD)の診断を受けました。

その後、専門学校を卒業して社会人になるものの、働き方や人間関係につまずき、一時期は社会から距離を置くような引きこもり期間も経験。

就労支援事業所への通所を経て、現在は上場企業のオープンポジション枠で、障害者雇用として管理部門に勤務しています。

今は発達障害と向き合いながら、結婚・子育て・マイホーム購入・住宅ローン返済中のリアルな日々を過ごしています。

このブログでは、不登校・いじめ・就職・障害者雇用・制度活用・子育て・暮らしの工夫など、これまでの経験をもとに、同じように悩む方やご家族に向けて発信しています。

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